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WEATHER & GEOGRAPY

気候と地理

小笠原の気候

亜熱帯に属する小笠原は年間を通して暖かく夏と冬の気温差が少ないです。 温暖多湿な海洋性気候にも属するため、夏は本土並み、冬は本土よりも暖かいです。

雨について

父島の降水量は5月、11月に多くなっています。梅雨前線は小笠原の北に現れることが多いため梅雨はないと言われています。
小笠原村観光協会スタッフの経験上ゴールデンウィーク明けから1カ月位は雨が多いようです。梅雨前線が本土に移動する頃、小笠原は太平洋高気圧に覆われて海は穏やかな凪の日が続きます。

父島の四季

春は本土の三寒四温に合わせて冷たい風が吹く日と暑い日が交互にやってきます。

夏〜秋

本格的な夏になると晴れた日に一時的にスコールが降るようになります。

冬〜春

冬から春にかけては本土にかかる前線の影響で強風が吹くことがあります。

年間を通して日差しは強いので、冬や曇りの日でも油断せず日焼け対策を忘れないようにしましょう。

台風

台風は水温が高い季節になると小笠原の南の海上で発生します。小笠原を直撃することはまれですが、近くを通過した場合は船便に影響をすることがあります。
おがさわら丸が欠航することはほとんどありませんが、東京出港が遅れたり父島出港が早まることがあります。運航につきましては小笠原海運にお問い合わせください。

小笠原の地理・地形・地質

小笠原諸島は東京から約1,000km南の、火山活動から出来た海洋島です。
北から、聟島列島、父島列島、母島列島、硫黄列島、沖ノ鳥島、南鳥島、西之島までが含まれます。この中で一般の人が生活しているのは父島と母島のみです。緯度は沖縄とほぼ同じ。父島と母島の間の距離は約50kmです。父島の面積は23.45平方km、母島の面積は19.88平方kmです。

小笠原諸島には海洋性島弧の誕生から現在までの進化過程や、大陸の形成の歴史を紐解く鍵が残されています。

父島列島

父島列島は海底火山活動で誕生しました。4800万年前、フィリピン海プレートの下に太平洋プレートが沈み込みを始めました。プレート下の高温のマントルにプレートから水が供給されたため、融点が下がり、通常よりも浅い部分のマントルが広範囲に溶けだしました。その時発生した特異なマグマが無人岩(ボニナイト)となり、このマグマが引き起こす海底火山活動は4500万年前まで続き、やがて父島列島及び聟島列島が誕生しました。

母島列島

母島列島は父島より後の火山活動で誕生しました。冷たいプレートの沈み込みが進むにつれて、マントルの温度も下がり、4400万年前になるとより深い部分でマグマが溶けだしました。発生するマグマも性質を変化させ、ボニナイトに代わって玄武岩質マグマが発生しました。この火山活動により母島列島が誕生しました。

現在もプレートの沈み込みは続き、火山列島である硫黄列島で火山活動が進行しています。

ボニナイト

父島列島誕生の時に発生したボニナイトは、島弧の誕生期にのみ発生する特殊な安山岩の一種です。このボニナイトには「単斜エンスタタイト」という輝石類が含まれています。この鉱物は隕石には含まれていますが地球上ではボニナイトにのみ含まれる大変珍しいものです。
小笠原諸島の英名はボニンアイランズです。

「ボニナイト」の名からわかるようにこの小笠原ではこのボニナイトが世界で最も大規模に露出し、良好な保存状態で残されています。

地形について

父島の南西にある南島一帯及び母島の石門一帯では、石灰岩が浸食・風化してできた「カルスト地形」が見られます。特に南島では、「ラピエ」と呼ばれる鋭くとがった岩や「ドリーネ」と呼ばれる大きなすり鉢状のくぼ地が見られます。また、南島周辺はカルスト地形が海中に沈んだ沈水カルスト地形が見られる国内でも珍しい場所です。

他にも隆起を続けている小笠原では父島の千尋岩に見られる高さ200mの断崖絶壁である「海食崖」や、海底火山の噴火でできた「枕状溶岩」、母島では大型有孔虫の化石「貨幣石」を見ることができます。

小笠原を知る

世界自然遺産登録

小笠原諸島は平成23年6月に、世界自然遺産に登録されました。
小笠原の自然については「小笠原自然情報センター」のホームページで詳しく紹介しています。